アコースティックギターの弦交換の方法と同時にするべきメンテナンス

ギターの弦交換の方法や、弦交換をする時にどんなメンテナンスをすればいいのか分からないという方に向けて。
この記事ではギターの弦交換の具体的な方法と、同時に必要なメンテナンスについて写真付きで分かりやすくお伝えします。
弦の処理と清掃方法

では早速ギターの弦交換の方法について見ていきましょう!
今回弦交換するギターはOvationというアコースティックギターです。
エレキギターやアコースティックギターなど種類によっては弦交換の方法に細かい違いはありますが、貼り方や巻き方など大きな違いはありませんので種類問わず参考にしてもらえると思います。
ギターを優しく寝かせる

まずはクッションなどを使用してギターを優しく寝かせます。
ネックスタンドをお持ちの方はそちらをご使用ください。
弦を緩めて切る

次にペグを回して弦を緩めます。6弦からでも1弦からでもお好みでどうぞ。
ダルダルになるまで緩めていきましょう!
その後ニッパーを使用して切断します。
切断した弦はペグやブリッジから外します。輪っかになる様に縛っておくと捨てやすいのでおすすめですが、弦が刺さらない様に注意してください。
弦を緩めずに切るとギターに負担がかかります。またケガをする場合もあるのでしっかり緩めましょう。アコギでブリッジピンがある場合ニッパーではなく専用のピン抜きを使用してください。ピンの破損に繋がります。
ボディと指板の清掃

弦を全て外すとギターを拭きやすくなる絶好のチャンスです!この機を逃さずしっかり綺麗にしていきます!
ボディの清掃

ギターボディはギターポリッシュをギタークロスに少量吹き付け染み込ませてから、拭いていきます。
その後ポリッシュの染み込んでない部分や別のクロスで乾拭きをします。

ボディの表面や裏側や外側、ヘッド部分など気になる部分を拭いていきましょう。
その後ポリッシュの染み込んでない部分や別のクロスで乾拭きをします。
指板の清掃

指板はレモンオイルをギタークロスに少量付けて拭いていきます。
指板は手垢などの汚れが溜まりやすいので隅々まで綺麗に拭いていきましょう。
弦の張り方と巻き方

いよいよメインの作業です。
新しい弦を取り出して太さやゲージを確認します。
弦を張る順番に決まりはありませんが、特にこだわりがなければ太い方から順で大丈夫です。

6弦をブリッジ側から通していきます。
エレキギターの場合ボディの裏側から通すものもあります。
ブリッジピンのあるアコギの場合はボディの表側からポールエンド付きの弦先を中に通し、上からブリッジピンを差していきます。

ブリッジ側から通した弦をペグに通していきます。
ここから弦を巻いていくのですが上の写真の様にピンっと張った状態では弦を巻く余裕がありません。
そこで弦を少し戻して余裕を作る必要があります。
では、どのくらい戻せばいいのかというと実は弦ごとに異なります。
戻した長さによって巻き数も変わってくるので、各弦が最適な巻き数になるように調整する必要があります。
今回は分かりやすいようにペグ間の幅を目安にした測り方を紹介します。
弦 | 弦を戻す目安(ペグ/個) | 巻き数 |
---|---|---|
1弦 | 2個 | 4巻き |
2弦 | 2個 | 4巻き |
3弦 | 1.5個 | 3.5巻き |
4弦 | 1.5個 | 3.5巻き |
5弦 | 1個 | 2.5巻き |
6弦 | 1個 | 2.5巻き |
巻き数はあくまで目安なのでそこまで気にしなくて大丈夫です。
弦を戻す目安を覚えておくとスムーズに巻いていくことができます。

6弦の場合弦を戻す目安はペグ間一個分なので、5弦のペグの位置で弦を掴んで6弦のペグ位置まで戻します。


ペグ間一個分戻すとこのくらい余裕ができ、最適な巻き数でペグに巻いていくことができます。
マーチン巻き
弦の巻き方は様々ありますが、今回はマーチン巻きを使用します。
この巻き方の特徴としてはしっかりと弦がロックされて緩みにくく、チューニングも安定しやすいという点です。
人によっては巻きづらいという方もいるかもしれませんが、慣れてしまえばスムーズにできますし普段からこの巻き方をしていて特に問題もありませんのでおすすめです。
折り目をつける
まずは6弦のペグ位置まで戻したところで弦に折り目をつけていきます。

弦は内側に折り曲げてペグに通してある弦の下側を通します。

下側から通した弦を内側に折り曲げます。
これで弦に折り目が付き、弦をロックすることができました。
複雑そうですが画像の赤矢印を参考にしていただければとても簡単にできると思います。
弦を巻いていく
弦のロックができたのであとは巻いていくだけです!ストリングワインダーを使用してペグを回していきますが、慣れないうちは素手で回した方がやりやすいかと思います。

注意点として弦は下に巻かれるようにしてください。
マーチン巻きの特徴として弦をロックしている分、巻いている時に隙間ができやすいですが、弦をしっかり張った状態で巻いていくと綺麗に巻いていくことができます。

6弦を巻き終えたら5弦を巻いていきます。

巻き方は6弦と同じで大丈夫です。
次に4弦を巻いていきますが、弦を戻す目安はペグ間1.5個分に変わります。

ペグ1個分より気持ち長めくらいです。
あとは6弦と5弦と同じように巻いていきます。

ここまでくればあとは半分です!
ですが、ここからは巻き方が先程とは逆になるので注意してください。

3弦の場合弦を戻す目安は4弦と同じペグ間1.5個分です。
折り目を付ける方向が逆になるので内側に折ると覚えておけば分かりやすいと思います。
内側に折った後は先程と同じように弦の下をくぐらせてもう一度内側に折り巻いていきます。
後は弦を戻す目安に気をつけながら2弦と1弦も同様に巻いていきましょう。
全ての弦を張り終えて一息ついたらチューニングしていきましょう。
チューナーを使用して6弦から順にEADGBEに合わせていきます。

一つポイントとしてチューニング後は弦を引っ張ってください。
こうする事で弦がギターになじんでくれます。
おそらくチューニングが大きくずれていると思うのでもう一度チューニングします。
この作業を2〜3回すればチューニングも安定してくると思います。
後はニッパーで余分な弦を切ってあげましょう!
弦交換のまとめ

以上で一通り終わりました!弦交換お疲れ様でした!
ギターの弦交換はギターのメンテナンスの中でもとても重要ですし、ギターを今後も弾いていく予定があるのなら避けては通れません。
苦手意識がある方でも今回の記事を参考にしていただけると意外とスムーズにできるのではないのでしょうか。
ギターを綺麗に保ち楽しいギターライフを送るためにも、正しい弦交換の方法や必要なメンテナンスをマスターしてみてはいかがでしょうか。
